2005年5月1日〜2005年5月5日 written by Etuko





犬と一緒に出掛けることが好きではない主人。

その主人が

「ジェッキーも一緒に旅行に行こう」

と言った。

不安はいっぱいあるけれど、

このチャンスを逃したらもう次はないかもしれない。

よし、思い切って行ってみよう!









★5月1日

朝6時半、主人の運転する車に乗って出発!
道がすいていたので7時過ぎにはセントレアに着きました。
駐車場に車を止めた後、まずはクレートを借りる為にJALのカウンターへ。
セントレ アのターミナル内では犬を歩かせてはいけないのでジェッキーは車で待機となりま す。

今回借りたクレートはXLサイズ。
大きさだけで決めるのならLサイズで充分足りるのですが、この少し前、病院でレントゲンを撮ってもらった時にチビッてしまったことがあるので、万が一のことを考えて少しでも逃げ場があるように、と大きめにしたのでした。







借りたクレートを台車に乗せて車に戻り ジェッキーを入れたら、ここで主人とはしばしの別れ。
翌日の夜まで私・ 娘・ジェッキーの3人旅なのです。

駐車場のすみで時間つぶしと排泄を済ませた後、いよいよターミナル内へ!
エレベーターに乗り、暴れながら泣き叫ぶジェッキーを必死でなだめながらカウンターへ向かう私と娘…のはずでした。想像では。
普段の様子や性格などから、これ以外には考えられない光景なのです。

んがっ、意外や意外、ほとんど声を出さなかったジェッキー。そういえばクレートに入る時もダダをこねなかったね。
よしよしその調子♪
お陰で気持ちに余裕を持って移動や搭乗手続きができました。







ジェッキーを預けた後、私たちも飛行機に搭乗です。
滑走路で作業をする人たちに笑顔で手を振り
行って来ま〜す。

離陸から1時間半後、新千歳空港に到着〜。
手荷物受け取りカウンター付近で待っていると台車に乗ったクレートが係の人に運ばれてきます。







ガリガリ引っかいてはいるものの、吠えてはいない様子。
もっと我慢のできない子だと思っていたからちょっと嬉しい♪
すぐにクレートから出してもらい、外で排泄を済ませてタクシー運転手さんとの待ち合わせ場所へ向かいます。

犬連れ旅行をするにあたり不安や不便さがいくつかありました。
その1つが空港から苫小牧への移動でした。
道内の移動で使う為に車だけをフェリーで送ってあったのですが、空港からフェリー埠頭までの足がありません。
人間だけや小型犬ならばバスにも乗れますが大型犬となるとそれは無理。
誰かが犬と一緒に空港で待ち、別の人が車を取りに行く方法もあるけれど、旅行初日は私と中学生の娘だけ。
それも無理です。
そこでタクシーをお願いしようと思ったわけです。

インターネットで探し始めて程無く見つけた
個人タクシーのHP。
旅行までは2ヶ月以上もあったけれど電話をかけてみました。
今までに犬を乗せたことはないようでしたが、犬の大きさや噛まないか?同乗する人間の性別などの質問を少しされただけで、すんなりオッケーの返事をもらうことができました。

さて、待ち合わせ場所へ。

タクシーのシートには普段のシートカバーの上に更にもう1枚カバーが掛けてあるようでしたが、持参の布を掛けジェッキーにはTシャツを着せ、低姿勢で乗車。

興奮気味のジェッキーてば発進後5分で車内の窓全てを熱い息でくもらせちゃうし、狭さからなのか足元に伏せることを嫌がりシートに座ったままで困りましたが、そのお陰で運転席や助手席にはほとんど毛が付くことなく少し助かったのかもしれません。

2日前、名古屋港を出港したフェリーとほぼ同時刻に苫小牧フェリー埠頭へ到着。
いつもお世話になっているKさんから車のキーを受け取り、我が家の車に乗ってやっとひと息、ほっ。

近くの「山頭火」でお昼ご飯を済まてから支笏湖経由で洞爺湖へ向かいます。
途中寄る予定だった「苔の洞門」は閉鎖中、1億円のトイレがあるという「道の駅フォーレスト276大滝」は駐車場がいっぱいでパス、結局どこへも寄ることなく洞爺湖着。
西山火口散策路(2000年3月の噴火によって突然できた噴火口の周辺を散策路として整備)をジェッキーも一緒にぶらぶら。







その後、小さな旅館で温泉に入ってからこの日の宿
「キャンドルの灯る宿&レストラン しずく」
(5部屋ある中でペットと泊まれるのは3部屋)
にチェックイン。

隣接するレストランで夕食後、20時45分〜21時05分の花火を楽しみにしていたのだけれど、寒さと疲れで外へ出る気力もなく、早々と寝た2人と1頭でした。














★5月2日

8時50分チェックアウト。
まずは「ザ・ウインザーホテル洞爺」でハープの生演奏を聴きながら雄大な景色を眺め、おいしいと評判のパンを買った後、手作りジェラートの「レイクヒルファーム」へ。
北海道に来たからにゃ1日1個はアイスクリームを食べないとね♪

寒さに震えながらもゴマとWクリーム、2つの味を楽しんでからジェッキーの気分転換を兼ねて湖畔で休憩。
















今日のとりあえずのゴール地点は新千歳空港。
21時半着の飛行機でやってくる主人を迎えに行く為です。
方向音痴の私だけど昨日と同じ道じゃつまらないから室蘭経由で行ってみよう!

室蘭には「チキウ岬」があります。
道東好きの主人と一緒の時にはなかなか訪れるチャンスがないこの地。
もちろん行きますとも。道も簡単そうだしね。

ところがあともう少しというところで紛らわしい表示が!
勘の悪い私は当然のように選ばないほうがよい道の方へ(^_^;
すぐに気付いたものの戻るのも面倒なので結局行かず(行けず?)終いでさっさと気持ちを切り替え次の目的地「イタンキ浜」へ。

間違えた道が近道になったのかあっという間に海が見えてきた〜(^^)v
しかし…どこかズレてるこの私、肝心な鳴き砂のある場所ではなく、ごく普通の砂浜に出た模様。でもジェッキーが嬉しそうだからいいっか。












登別に入ってすぐのところで少し遅めの昼食を済ませてから「地獄谷」を散策。

その後、ジェッキーを車に残し「第一滝本本館」で入浴。
今回は運良く掃除時間と重ならなかったようで、全ての浴槽にお湯が入っていました。
とは言っても全部の湯につかっているとのぼせそうなので、どれもちゃちゃっと入る程度の入浴で我慢。
それでも9種類の大きな浴槽で手足を伸ばせていい〜気持ち〜。








外へ出ると既に太陽が沈みかかっています。
これはちょっと急がないと…空港でのお土産タイムがなくなってしまうぅ。

18時20分、無事空港に到着。
夕食を食べたり、日持ちのするお土産を買ったり、ジェッキーにご飯をあげたりしているうちにあっという間に3時間が過ぎ、主人の乗った飛行機が到着〜。
ここで運転手交替です。
さぁ、気分も新たに出発だ〜。

高速道路のサービスエリアで仮眠をとる予定を急遽変更し、帯広のビジネスホテルに着いたのは夜中の1時半。
犬と一緒に泊まることができないからジェッキーは車の中で待っててね。









★5月3日

朝7時、ジェッキーの様子を見る為に駐車場へ。
そぉ〜っと車に近づいてみると…寝てる寝てる。
シートの上でドーナツみたいに丸まってる。

初めての車中泊、しかもひとりきりなので心配だったけれどドアを開けるまで気付かない程熟睡していて安心したよ。
ちょっとは成長したね…私が。
少しだけ散歩しよっか。











チェックアウトの後、駐車場でジェッキーのご飯を済ませて9時出発。
神経質なところがあるにもかかわらず「食」に関しては全くその気を感じさせないジェッキー。

いつでもどこでも何でも食べられるし、お腹の調子も絶好調。それに食べてすぐのドライブも全然平気なところはと〜っても助かるよ。








足寄の化石博物館、野中温泉、多和平を回り、16時頃養老牛にある「湯宿 だいいち」に到着。

だいいちはペット連れ専用の宿ではありません。
ごく普通の旅館だけれど犬も一緒に泊まっていいよ、というところです。
玄関から部屋までは「抱っこ」又は「ケージに入れて」の移動となります。
台車は宿のものを使わせてもらいました。

部屋は広く、ケージから出してあげることができるので人も犬もくつろげるのですが、なんせ犬を連れての部屋と外との行き来が大変なのでジェッキーには翌朝のチェックアウトまでずっと部屋の中だけで過ごしてもらいました。
1回ずつ台車を借りての移動は面倒ですが(大きな子でも抱っこができればケージに入れなくても良いみたいです)それ以外はとっても満足のいく宿でした。

何年か前に日帰り入浴を利用したことがあるのでお風呂の良さは知っていましたが、部屋も広いし食事の内容も言う事なし。
刺身・焼き物・ご飯はそれぞれ2種類から好きなほうを選べるし、蒸し物・天ぷらは出来たてアツアツ。
味も良くボリュームもあり、食べ切れなかったカニは部屋へ持ち帰って食べました。








私たちの部屋を担当してくれた新人さんもとっても感じが良くて気持ち良く過ごす事ができました。
春に高校を卒業して働いてる彼女は我が家の長男と同い年…う〜ん、違い過ぎる。









★5月4日

朝食はバイキングでした。
何といっても品数が豊富!
一口ずつしか取らなくても全品食べきれないような数多くのおかずがずら〜りと並んでいました。

もちろんお味も満足満足。
手作りジャム5〜6種類、つきたてのお餅でつくった雑煮もありました。
普段、汁物は好んで摂らない私ですが、夕食の三平汁、朝食の雑煮のおいしかったこと。
是非また泊まりたい宿です。

8時半出発。
チェックアウト後看板娘、シベリアンハスキーの「いち」とジェッキーのはじめましてのご挨拶。
でもお互いに興味がないらしく臭いをほんの少しチェックしただけで、いちちゃんはどこかへ行っちゃいました。









5月だというのに凍るように寒い「裏摩周」と「双湖台」に寄った後、足寄駅前の小さくて古〜い食堂で昼食。
主人はジンギスカン、娘はラーメン、私は豚丼を注文。
どれもおばあちゃんの優しい味でおいしかったなぁ。

それから食後のデザートとして駅の売店でソフトクリームを食べてからは、どこへ寄ることもなく北海道の景色を眺めながら十勝清水方面へ向かいます。

















この日泊まるのは「ゲストハウス・ラーダニーヴァ」
全4室のペット専用宿で、手作りログハウスのあったかい雰囲気が漂っています。

何年か前、まさか犬が飼える日が来るとは思ってもいなかった頃の旅で、オールド・イングリッシュ・シープドッグとセントバーナードが看板犬を務める喫茶店に入ったことがあったのですが、そのオーナーさんがはじめたのがラーダーニーヴァ。

犬連れで泊まれる宿がやりたいと話しておられたのが何となく頭に残っていて、その場所を突き止めたわけです(笑)

楽しみにしていた2頭の犬は昨年暮れと今春に亡くなったとのことで再会はできませんでしたが、宿の名前にもなっている2匹の猫「ラーダ」と「ニーヴァ」のどちらかが部屋に遊びに来てくれました。





ラーダニーヴァのオーナーさんが、以前
十勝でやっていた「くまげら」という喫茶店のトイレ。
(富良野にある有名な「くまげら」とは全く別物です)





この日は早めにチェックインしていたので早速、庭?ドッグラン?へ。
その広さといったら…私には端から端まで走りきることは無理です。
さすがは北海道。

ただどこにも囲いがなく、3000坪の広場の向こうにも草地が限りなく続いているし、国道にも面している為、呼び戻しに自信のない私はロングリードをつけたままでした。











さて、走り回ってお腹がペコペコになったところで夕食の時間です。
いんげんのお浸し、煮豆、サラダ、焼きガニ、刺身、ビーフシチュー。
ボリューム満点の料理はもちろん美味しくていうことなし!ですがお水もおいしかった〜。

今回泊まった宿の中で、犬を側に置いて食事ができるのはここだけでしたが、他のワンちゃんに気を取られることなく(ご飯は大変気になっていたようですが(^_^;)おりこうに伏せて待つことができたジェッキー。
成長したね。疲れてただけかな?(笑)

夜10時頃、寝ていたジェッキーの手足がものすごいスピードで動き出しました。まるでダッシュしてるみたい。
広場で遊んだ時の夢をみてるのかな?
楽しかったね。
私も夜中に足をバタバタさせていてりして…(^_^;













★5月5日

少し早起きして広場で遊んでから朝ごはん。
チーズ、スクランブルエッグ、ポテトサラダ、ハム、ソーセージ、レタス、ヨーグルト、クロワッサン、牛乳、コーヒー。
ボリュームありすぎて動けません(笑)

楽しかった旅も今日でおしまい。
道路の渋滞や車の故障があっては大変なので早めに千歳へ行くことにしました。
余った時間は、2日めに行けなかった「名水ふれあい公園」でのんびり過ごすつもりでいたら、ペット禁止の立て札が(>_<)
仕方が無いのでジェッキーは車で留守番してもらい人間だけでぶらぶら〜。








その後、主人だけ温泉に入って16時頃空港へ到着。
主人が車をフェリー埠頭へ持って行く為、私と娘、そしてジェッキーは空港の駐車場のすみっこで時間をつぶします。

5日間何事もなく無事でよかったね〜と言いたいとこですが、実は3日めの朝から ちょっと困ったことが続いていました。

それはジェッキーの右後ろ足のかかとにあったイボからの突然の出血。最初はティッシュでちょちょいと拭く程度で済んだのが、日に日にその量が多くなり、最後の日は1度出血が始まるとポタポタといつまでも止まらなくなっていたのです。

3年間かかとに付いていて血が出たのは初めてのこと。最近少し大きくなってはいたものの、まさか出血するとは思ってもいなかったから焦りました。
どうするか考えた結果、とりあえず消毒して包帯巻いて、と一番簡単な処置で乗り切ってもらうことに決定。
これで一件落着と思ったのは大間違い。
この後更に大変なことが…!
それはまたあとで。

さて、しばらく外にいたものの、することがないし、第一寒い。少し早いけどジェッキーを預けることにして空港内へ入ります。
セントレアとは違い、ここ新千歳空港では搭乗手続きカウンターまで犬も一緒に歩かせてもいいようです。
本当はここでエスカレター初体験をさせてみたかった私。
が、ゴールデンウィークで人が多く、ジェッキーが立ち止まってしまっては皆さんに迷惑がかかるのでエレベーターで我慢することに。

大きな犬、しかも包帯なんかしちゃってるからかなり注目されると覚悟していたけど案外気付かれないものなんですね。
ちょっとだけ期待はずれ(^_^;








手続きが終了し、行きと同様すんなりクレートに入り静か〜にどこかへ運ばれて行くジェッキー。
決して楽しくなかったはずの行きのことを君は覚えていないのかい?




飛行機に乗ると言ってもペットの場合、空港によって決まりに違いがあるようです。
ターミナル内を歩かせていいのかダメなのか、クレートに入れる時に首輪をはずすのか付けたままでいいのか。
この他にもまだあるかもしれません。

これから飛行機に乗ることがある場合は、各空港に確認したほうがよさそうですね。
ちなみに我が家の場合、クレートに入れず一緒に歩いた方が何倍も楽でした。

主人と合流し、搭乗時刻まで10分程になったところでトイレに行き、主人の所へ戻ると何だかただならぬ雰囲気が漂ってる。
とっても困った顔をしているんです。
聞くと車のキーがないと言う。
さっきまで乗ってた車じゃなくてセントレアに置いてある主人の車のキー。

あちゃ〜、フェリー埠頭に置いてきた車の中に忘れてきちゃったんだ(>_<)
でもさぁ、慌てても仕方ないじゃん。
最終便の飛行機だから苫小牧まで取りに行く時間はないでしょ?
行ったところでその間にフェリー出港してるし。
あはは〜。

だったらセントレアからタクシーで帰ればいいんじゃない?と一応は言ってみるが主人はどうしても自分の車で帰りたいらしい。
スペアキーを持ってきてくれるよう長男、長女に電話してみたけれど予定があるらしく無理。
結局私の父が来てくれることで一件落着。

帰りももちろん飛行機の窓から手を振り北海道にバイバイ。
セントレアに着陸すると急いで荷物受け取り場所へ向かい、しばらく待っていると台車に乗ったクレートが見えてきました。

ガリガリ引っかく音がするので早く安心させようと走り寄ったのが大間違い。
私たちの姿を確認すると「早く出せ〜〜!」と吠え始めた。
いや、絶叫です。
クレートを運んできてくれた作業服の人はすぐにでも出そうとしてくれたんだけど、JALのおねえさんは「ターミナル内では出せない決まり」と。
どうやらその辺のことが徹底されてないようで2人とも困ってる。
「ターミナル」というのがどこまでなのかも把握できてない様子。
その間、絶叫のジェッキー。恥ずかしすぎる(-.-;)

お願いだから早く決めて〜!
できれば今すぐここで出してっ!
そうすれば静かになるんだから〜。
結局どこで出していいのかわからないらしく、到着ロビーを出ればいいでしょうとなり、お迎えの人たちでごった返している場所で出してもらうことができました。
出てしまえばこっちのもの(笑)
駐車場までの長い距離は涼しい顔で歩くことができました。

さて、父からスペアキーをもらって…なぜか母も一緒に来ている。しかも2人で電車で来たらしい。
え〜っと、主人、私、娘、父、母、血まみれジェッキーもいる。
5人乗りだよ?主人の車。 ま、いっか。
5人と1頭、ぎゅうぎゅう詰めで帰ろうね。







帰宅後のジェッキー、イボからの出血は止まることがなく、1週間後切除手術となりました。
飛行機、車中泊、エレベーター…初めてづくしの旅行の締めくくりが、初めての麻酔とエリカラ。

私にとってはずっとずっと忘れられない5日間になったけれど、ジェッキーにとってはどんなだったかな?
イボ切除後の禿げたかかとを見る度に北海道を思い出すよ。







〜おわり〜


etukoさん、記録ご提供有り難うございました。


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